スーパームーン

スーパームーン

通常の満月(左)とスーパームーン(右:2011.3.19)の比較。Wikipedia より

去る11月14日は「スーパームーン」でした。TVや新聞で報道されましたので、記憶されておられる方も多いかと思います。

しかしながら、残念なことに沖縄、東北の一部を除いて曇天で68年ぶりというスーパームーンそのものは見られませんでした。

地球と月の距離は約38万kmですが、月の軌道は真円ではなく、距離が36万km~38万kmの楕円です。この楕円も太陽の影響で位置が変わります。月が地球に最も近づいた時と満月が重なると月はいつもより大きく見え、これがスーパームーンです。同じ現象は「満月」だけでなく「新月」でも起こりますが、新月は見えませんので、満月がスーパームーンと言われています。

上の図は Wikipedia から引用したものですが、右が2011年3月19日のスーパームーンと、左が平均的な大きさの満月を比較したものです。今年のスーパームーンでは月の大きさが15%程増え、従って20%くらい明るくなると予想されていました。本当にこの目で見たかったですね。

月は唯一、地球人が「足を下した星」です。当時のロッケット技術で3日間程かかったそうです。今も国際宇宙ステーションで多くの宇宙飛行士達が色々な技術を積み重ねています。数年後には中国が月への有人飛行を実施すると思われていますし、火星への有人飛行も真剣に検討されています。現状技術では地球-火星間は1年半かかるそうです。人体への影響が心配されているところです。

この夏、京都大学の花山天文台で宇宙飛行士の土井隆雄さんのお話を聞く機会がありました。土井隆雄さんは現在花山天文台の特別教授をされています。私は、中国が国威を見せつけるように独自に人工衛星を飛ばしたり、月への有人飛行を計画せずに、せっかく国際宇宙ステーションがあるのだからドッキングすればよいのにと単純に考えていました。

ところが土井隆雄さんのお話は違っていました。どこの国であるとしても、自分たちとは違ったもう一つの人工衛星という「仲間」がいることは非常に心強く大きな存在だと言われました。私は自分が恥ずかしく、さすが宇宙を経験した人の感性の深さを感じました。

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 待ち構えていたのですが、今回のスーパームーンは残念ながら曇りで見れませんでした。次は新月ですから、満月のS.M.はだいぶ先になるようですね。
    土井さんのコメント納得ですね。この世界の研究者の皆さんはみな謙虚というかできた人が多いですね。今年の春に、神岡の「かぐら」でお会いした、東大の川村先生も米国のLIGOを立ち上げた方の一人ですが、素人の私たちを相手に分かり易く説明してくれました。Newton12月号に彼の記事があったので、衛生7期の同行者たちはすぐ購入しました(内容の理解はともかくとして)。