京都スペイン語ボランティアガイドについて

私は2012年から3年間、JICAシニアボランティアとしてコスタリカで生活しました。コスタリカはスペイン語ですので、行く前に国内で2ヶ月間スペイン語訓練を受け、現地に送り出されました。当然、始めは訳の分からない状態でしたが、3年経つうちに多少は分かるようになってきました。
帰国してから1年半、次にケニアにJICA専門家で行ったり来たりの生活になりました。これは英語なので、なんとかなりましたが、このままではスペイン語能力がまたゼロに戻りかねないと思い、“Kyoto Free Guide” という団体に入り、この「京都ボランティアガイド」を スペイン語担当で始めました。
スペイン語圏の人で日本に観光に来れるのは、ほぼ、スペイン、メキシコ、アルゼンチンの3カ国の人々です。コスタリカの人も去年1人、今年1組だけいます。
行き先はだいたい、金閣寺、清水寺(二年坂/三年坂も)、伏見稲荷、二条城、嵐山嵯峨野(竹林の小径/野々宮神社/天竜寺/渡月橋/モンキーパーク等)、銀閣寺、竜安寺、御所、三十三間堂、祇園/八坂神社、といったところです。
案内した人々の写真は次のような感じになります。

(スペインから バスクとバルセロナの人)

 

(スペインから マドリッドの人)

(メキシコから メキシコシティの空港職員)

(アルゼンチンから ブエノスアイレスの薬剤師さん)

写真では気楽そうですが、ガイドというのは、なかなか大変な仕事です。
私達も、旅行でガイドを頼んだけど、不満をもつことがあるかと思います。ここでは逆の立場になる訳で、出来たら気持ちよく帰って頂きたいので、次のようなことも必要になってきます。
・自己紹介をキチンと行って、写真も送り、相手に信頼を得るレターを先ず出す必要があります。(有料ガイドなら紹介代理店に何かあれば責任もってもらえますが、ボランティアだとそこが不安になるかと思います。)
・案内場所を10箇所程度は知っていて、その内容や、おもしろさや、必要時間を考えて、相手に合わせて行き先を推薦することになります。1日で3~4箇所ぐらい行きます。
・案内場所について、その内容や時代背景を、スペイン語で説明することが必要で、特殊な単語も或る程度覚える必要があります。
・ボランティアガイドを頼むというのは裕福な方ではないので、基本バスの1日乗車券を買ってもらって、これでほぼ全ての場所に行きます。バス乗場やバスルートを知ってることが必要です。
・昼食も観光地では高価なものになりがちです。リーズナブルで、でもそこそこ日本風でおいしい所を知っておくことが必要です。またあまり行列のできるところは時間を無駄にしないため避けなければなりません。
・スタートは大概はホテルに迎えに行きます。彼らは費用を掛けて日本に来ているので、朝から目いっぱい回りたいと思っている人がほとんどです。なので大体8:30ぐらいに出発しようとなります。(普段8時くらいに起きてる僕としてはややつらいところです)
・一日で15000歩ぐらいは歩くことになるので、それでも、にこやかでいられる程度の体力が要求されます。(金閣寺、清水寺、伏見稲荷、、など、山歩きも多いのです。)
・ということで、大体、月に1回やる程度にしています。それでも、連絡取り始めて2週間ぐらい3、4回はメールでのやり取りが必要となり、それをスペイン語でやるので結構勉強になります。最後はガイドするわけですが、朝から1日、スペイン語ばかりなので、帰りの電車では頭の中でスペイン語が渦巻いているのが分かります。

(その他一般的なこと)
京都というか日本が突然観光国として脚光を浴びてきたのは、東北大震災の数年後2014年頃からのようです。それからは毎年倍々の勢いで観光客が増えてきています。日本経済の低迷、一方アジアや他国は経済力がついてきて、相対的に日本の物価が安くなり、他の国に比べ安全で、アニメなどで知る独自の観光地が人気となってきました。更に言語の問題もスマホの普及で何とかなるようになり、日本の受け入れ態勢も「JRパス」という外人向け鉄道優待制度や民泊などの安価な宿泊先が出来たのも大きい理由かもしれません。2014年、2015年と、京都は「訪れたい観光都市」(米誌)で世界1にもなりました。

京都市外国人宿泊客数の変化(京都観光総合調査2015年京都市)
 

京都市外国人宿泊客数(上位10箇国)(京都観光総合調査2015年京都市)

この上位10カ国外国人宿泊客数では、台湾、中国、香港、韓国というアジアからの観光客が断然多いのが分かります。そして調べると、一人当たりの購買力平価GDPが、日本より低いのは上表の中では、中国、韓国、スペイン、イタリアだけです。日本より欧米諸国が高いのは理解できますが、今は香港、台湾も日本より上位にいます。

最後に“Kyoto Free Guide” の仕組みは以下のようになってます。よろしかったらトライしてみませんか?
京都フリーガイドとは?
京都フリーガイドは ボランティアガイドグループです。私たちは、自分達の空いている時間で、外国人旅行者をおもてなしの精神でガイドし、日本を理解し、旅を楽しんでもらうお手伝いをしています。
既定ルートはなく、ガイドが ゲストのリクエストや関心、興味に基づいて自由にコースをプランニングし、提案してご案内しています。
(2)活動内容について
*外国語を用いて、外国観光客が希望する場所へガイドします
*ご案内範囲は 京都、大阪、奈良、神戸です。(僕は京都だけにしています)
*ゲストとは 事前にメールにて連絡をとっていただき、興味、希望に基づいて行程をアレンジしてください。
*ルート作成のみなどの活動は、受け入れていません。必ず、ガイドをしてもらえるのが前提です。
*ガイドの頻度は、皆様のご都合に合わせて、担当していただければ結構です。週1、月1回でも、また夏休み等の間でも結構です。
*ご自分の自由な日時で活動は可能ですが、いったん引き受けていただいた後には 原則、キャンセルができません。責任を持って対応お願いします。
(3)報酬について
通訳案内士法に基づき、ガイドとしての報酬はいただきません。 
ガイドするにあたりの待ち合わせ場所までの交通費、通信費(Eメールや電話等)または 下調べ等にかかわる諸経費は 自己負担となります。
ただし、案内中の必要経費(交通費、入場料、拝観料など)は、ゲスト負担となります。
*交通費→公共交通機関を利用のこと。(自家用車等 禁止)一日乗車券等を利用して、できるだけ負担となるのを避けましょう。
*拝観料→ボランティアガイド証明証(政府観光局)を持つと、ガイド分は不要となります。
*食事→常識の範囲内で、高価なものは避けましょう。(ゲストが希望する場合は別)

以上

 

 

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  • コスタリカから帰国したとき「スペイン語忘れないように北大会館のスペイン語同好会に入っては?」とお願いしたところ快く入っていただきそのまま小樽会メンバーに移行していただきました。いまや、スペイン語同好会ではリーダー役をしてもらっています。これからもよろしく指導ください。