今年の夏、暑さで少し体調を崩しエアコンの効いた部屋にこもり、池井戸潤の小説を9冊ほど読みました。体調不良の原因は7月末に行った北海道の気候でした。毎夏札幌・小樽を経由してニセコと一週間程ボーとした時間を過ごしているのですが、今夏の北海道は関西並みの酷暑でした。涼しいはずとの期待感があるのでなおのこと暑かったです。すっかり疲れて帰京しました。
前置きが長くなりましたが、そんなことで読書となったわけです。小樽会で活躍されているF氏によると、池井戸潤の小説は、「1冊目は面白い、2冊目は同じプロット、3冊目はもういい」とのコメントをもらいましたが、私には同じ作家の本を続けて読むという癖がありますので9冊にもなりました。しかし最後に読み出した「民王(たみおう)」はいけません。余りにも荒唐無稽です。ドラマには向いているかもしれませんが・・・
そういえば昔ありましたね「東京原発」というドラマが。
本来山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平などの「時代小説」を多く読んで来ましたが、最近、気分を変えて夏木静子数冊を読みました。すべて昔読んだ小説です。彼女は私と同年で、慶應の学生の頃から「徳川探偵団」という謎解きのTV番組の執筆者として活躍していました。
ついで「伴野朗」、彼は新聞記者として中国に滞在し、中国の近代史に大変詳しい作家です。「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞も取りました。彼の書いた小説の中に「第三の原爆」という本があります。
今回で3度目の読書ですが、フィクションと第二次世界大戦末期の事実とが微妙にミックスされ、大変面白いです。特に、日ソ中立条約を一方的に破棄し、樺太、千島列島や北海道(願わくば全島を、それがダメなら釧路と留萌を結んだラインの北側)を自国の領土と欲したスターリンと、最低北海道全体を守ろうとした日本の一部将校との駆け引きはフィクションを超えた迫力があります。
終戦の昭和20年、私の一家は小樽の駅前に住んでいましたが、同じ小樽の高島に疎開しました。この年の8月、ラジオから流れる天皇の声を聴いて、母が地べたに座り込み涙を流していたことを今でも鮮明に思い出します。と同時に、ソ連軍が小樽まで攻めてくるという噂さが流れ、中・小学生以下の女の子は頭の毛を切られ丸坊主になりました。この丸坊主事件は、当時小樽に進駐していたアメリカ兵による日本人の公衆衛生強化(DDT散布)ともからんでいるようです。
1995年の発刊ですから、もう書店にはないでしょう。各所の図書館や古書店にはあると思いますので機会を見つけて読まれることをお勧めします。
この9月から2回、小樽会ブログとHPが外部からの改ざんを受けました。かなり慌てました。正直読書どころではなかったのですが、寝つきの悪い私は就寝前の読書が睡眠導入剤にもなり、読書による気分転換で、また明日頑張ろうとなります。
コメント
コメント一覧 (2件)
私自身が時代小説が好きなのと、3年前亡くなった母親が亡くなる当日まで読む本を供給していたので随分読みました。池井戸潤はFさんの言うとおりですね。終活の一環で多くの文庫本をBook offで処分している中で、藤沢修平と池波正太郎は残しています。彼らが世を去ったと思ったら、最近なかなか筆力のある作家が出てきました。良く書けていると思う作家は、飯島和一、今村翔吾(彼は昨年あたりからの新人)、辻堂魁(風の市兵衛シリーズなど)、高田郁(みおつくし料理帳、商い世傳ー泣けます)など。
ところで、「メルアド、サイトを保存する」という欄が出現しましたが、どういう意味でしょうかね?
手島様、コメントありがとうございます。
ご指摘の「メルアド、サイトを保存する・・・」というのは、HPなどあるサイトを閲覧した場合、次回同じサイトを見る時の表示の速さなどの利便性を確保するための「cookie」の保存に似た機能のようで、WordPress のバージョンアップで表示されるようになりました。
コメントを書いた人や閲覧者に「これ何?」と思われるので、後刻、非表示にする作業を行います。