昨年11月2日、クラス会で小樽へ帰った時、ニッカの工場を見学した後、(2015.3.20付け本ブログ参照)オチガビワイナリーを訪ねました。動機は昨年4月頃日経に載った「日本各地で立ち上がる農水産業の6次産業化事業の一つとして余市でワイナリー立ち上げ」の記事を読み本ブログに投稿(2014.5.8付け本ブログ参照)したことを想い出したからです。海に近いニッカより車で15分くらい仁木方面へ走ったところにありました。広い葡萄畑のなだらかな丘陵地帯に建物が見えて一目でそれと分かりました。大きな建物の中は、ワインの売店や(音楽のホールにも簡単に変わりうる)、ワインレストランコーナーと地下の工場からなっており、当日は日曜日の16:00頃の薄暗い夕方でしたが、喫茶レストランコーナーも写真のように客がおり、売店にも数人の人が私と同じように商品を手にして見比べていました。私も一番高そうなワインを1本(ワインには全くの音痴ですが)買いました。音楽のホールでは、地域の住民を集めて、演奏会をするのだそうです。地下は一大醸造工場となっており、外国製の機械がたくさん並んでおりました。予約も何もなく、飛び込みの訪問でしたが、幸い落専務はおられ、海外からのお客様が来ておられ、忙しそうにしておられましたが、本ブログ(2014.5.8付け)のコピーをレジにおられた女性にお見せし、落専務の手がすいた時点でお話しさせて頂くことが出来、又、地下の工場内部や建物の周りも案内していただきました。
以下、専務の話の要点は下記の通りでした。
設立の目的は、日本にぶどう畑から醸造まで関わる本格的ワイナリーを作り、余市の振興に寄与する。というのは、日本のワインはそのほとんどが、海外から輸入した原酒を販売しているそうですが、オチガビワイナリーは日本の余市で採れたブドウを余市で醸造するもので、そのため、ワインの技術学校をつくり、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ等から教授を招聘するという本格的なもの。それは専務がかってドイツでワインの勉強をされたことがベースにある様でした。(私はそれまで市販されている日本メーカーのワインは、日本製と思っておりましたので驚きでした)私が訪れたその日もその関係の来客だったと分かりました。
そして、このあたり一帯をワイナリー地帯とするべく、同社と同じようなワイナリー仲間が何軒か立ち上げ中との事でした。5年後には30件、20年後には200~300件にし、人口の過疎化に歯止めをかける構想との事です。
又、景観にも気を配られ、高い経費をかけて(金額は忘れましたが)電柱も一部を地下に埋めたとお聞きした時はただ驚いただけでしたが、後日同社のHPで「おいしいワインはきれいな葡萄畑から作られる」(ドイツの教授達が落専務に言った言葉)を読んだとき納得しました。
私は本場の欧州からの技術取得による物づくりの本物化への執念と余市という地の利を生かした果物(余市は葡萄造りに大変適した土地なのだそうです)を生かして地域振興に賭ける愛着でマッサンと似ているなあと思いました。
それから半年たった今、国税庁が産地表示を厳格化し、「国産の葡萄で、国内で醸造されたものだけを日本ワイン」とし、純国産のブランド力を高め、海外展開を後押しする構想を進めているのはご承知の通りですが、オチガビワイナリーは正に、その構想を先取りするものであり、同時に農業の6次産業化、そして今、国策の地域産業活性化構想にも沿ったものと思いました。
以下に昨年4月頃に掲載された日経の記事を再掲します。
北海道余市町に広がる6ヘクタール余りの葡萄畑。一面を雪に覆われたその真ん中に真新しい建物が建つ。「オチガビワイナリー」。昨年11月にできたばかりの新しい醸造所だ。延べ床面積は約1000平方メートル。畑で採れたブドウを原料にワインを醸造して販売する。1階のレストランでは地域の農水産物などをワインと共に提供する。
施設の建設、運営を資金面で手助けしたのが、地元の北洋銀行を中心としたファンド。昨年2月に政府と大手食品会社などが出資して発足した官民ファンド、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE,東京・千代田)と連携して8000万円強を出資した。
「日本の農家はこれまで収入が少なすぎた。自分で作り、加工すれば生産者も設けることができる」。オチガビの落希一郎専務は40年ほど前に欧州に留学した際、ワイナリーの醸造家達の裕福さを見て、そう確信したという。例えば、ワイン用のブドウを生産した場合、売値は1キロ200円程度という。一方、ワインの加工まで一貫して手掛ければ、200円が2000円にも3000円にも、時には数万円にも、数十万円にも化ける。
ただ、ワインを生産するには醸造設備が欠かせない。オチガビの場合、土地購入費や造成費も含めて計3億7千万円が必要だった。佐沢雅美社長は「ファンドの資金がなければ、これほど早い事業化は難しかった。投資を受けたことで、信用力が高まり、融資が受けやすくなった効果もある。」と力説する。金融機関から融資を受けるには原則として担保が必要。資金の使途が制限されることもある。一方、ファンドは融資ではなく出資なので資金は使いやすい。
地域産業の活性化、雇用拡大につながる6次産業化に地元も歓迎ムードだ。余市町経済部の須藤明彦参事は「町内のワインブドウ農家38軒のうち、後継者がいるのは1ケタ台。それだけ農家の状況は厳しい」と強調する。その上で「オチガビが成功すれば、就農希望者が増える可能性がある。他の農家を刺激し、農業が再び活性化する効果も期待できる」と話す。
以下に昨年4月頃に掲載された日経の記事を再掲します。
北海道余市町に広がる6ヘクタール余りの葡萄畑。一面を雪に覆われたその真ん中に真新しい建物が建つ。「オチガビワイナリー」。昨年11月にできたばかりの新しい醸造所だ。延べ床面積は約1000平方メートル。畑で採れたブドウを原料にワインを醸造して販売する。1階のレストランでは地域の農水産物などをワインと共に提供する。
施設の建設、運営を資金面で手助けしたのが、地元の北洋銀行を中心としたファンド。昨年2月に政府と大手食品会社などが出資して発足した官民ファンド、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE,東京・千代田)と連携して8000万円強を出資した。
「日本の農家はこれまで収入が少なすぎた。自分で作り、加工すれば生産者も設けることができる」。オチガビの落希一郎専務は40年ほど前に欧州に留学した際、ワイナリーの醸造家達の裕福さを見て、そう確信したという。例えば、ワイン用のブドウを生産した場合、売値は1キロ200円程度という。一方、ワインの加工まで一貫して手掛ければ、200円が2000円にも3000円にも、時には数万円にも、数十万円にも化ける。
ただ、ワインを生産するには醸造設備が欠かせない。オチガビの場合、土地購入費や造成費も含めて計3億7千万円が必要だった。佐沢雅美社長は「ファンドの資金がなければ、これほど早い事業化は難しかった。投資を受けたことで、信用力が高まり、融資が受けやすくなった効果もある。」と力説する。金融機関から融資を受けるには原則として担保が必要。資金の使途が制限されることもある。一方、ファンドは融資ではなく出資なので資金は使いやすい。
地域産業の活性化、雇用拡大につながる6次産業化に地元も歓迎ムードだ。余市町経済部の須藤明彦参事は「町内のワインブドウ農家38軒のうち、後継者がいるのは1ケタ台。それだけ農家の状況は厳しい」と強調する。その上で「オチガビが成功すれば、就農希望者が増える可能性がある。他の農家を刺激し、農業が再び活性化する効果も期待できる」と話す。
コメント
コメント一覧 (3件)
素晴らしいです。
是非訪れて、専務さんとお話ししたいです。*\(^o^)/*
落社長より以下のメッセージを頂きました。
初夏のブドウ畑の美しさを思い浮かべております。
札幌の友人たちも時々ランチに伺うと言ってました。
風景がきれいで、食事とワインが美味しいとなれば札幌からでも観光でなく普通に食事に行くようですね。
ただし、飲まない運転手が必要!!
シャトルバスかなんかあるのかしら??