余市のオチガビワイナリー

農業生産者らが加工や流通まで手掛けることで、ブランド力や雇用を維持し確保しようとする「6次産業化」を支援するファンドの設立が各地で相次いでいますが、北海道では余市のオチガビワイナリーが日経に紹介されていましたので掲載させて頂きます。

 みなさんご存知のように、この9月から、NHK連続テレビ小説「マッサン」はニッカウヰスキー創業の竹鶴政孝、リタ夫妻がモデルとのことで、余市は観光で盛り上がることが予想されますが、このオチガビワイナリーもワインクラスター北海道(H25.5.17付け本ブログ記事参照)の目的の一つであるワインツーリズムの一環としての観光と、ニッカウイスキー、積丹、木田金次郎美術館等の一連の観光資源の充実化に寄与する等、余市の観光、並びに地域経済発展のため寄与することを期待したいと思います。

 今は農業の6次産業化が、国中で課題、そして話題となるときですし、まして観光資源としてのクラスター(葡萄の房のような集団)戦略の一環も担えるとあれば、企業としての成功を祈ると共に、成功の暁には、どんどん内外にアッピールすべきかと考えます。

以下日経の記事

北海道余市町に広がる6ヘクタール余りの葡萄畑。一面を雪に覆われたその真ん中に真新しい建物が建つ。「オチガビワイナリー」。昨年11月にできたばかりの新しい醸造所だ。延べ床面積は約1000平方メートル。畑で採れたブドウを原料にワインを醸造して販売する。1階のレストランでは地域の農水産物などをワインと共に提供する。

 施設の建設、運営を資金面で手助けしたのが、地元の北洋銀行を中心としたファンド。昨年2月に政府と大手食品会社などが出資して発足した官民ファンド、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE,東京・千代田)と連携して8000万円強を出資した。

 「日本の農家はこれまで収入が少なすぎた。自分で作り、加工すれば生産者も設けることができる」。オチガビの落希一郎専務は40年ほど前に欧州に留学した際、ワイナリーの醸造家達の裕福さを見て、そう確信したという。例えば、ワイン用のブドウを生産した場合、売値は1キロ200円程度という。一方、ワインの加工まで一貫して手掛ければ、200円が2000円にも3000円にも、時には数万円にも、数十万円にも化ける。

 ただ、ワインを生産するには醸造設備が欠かせない。オチガビの場合、土地購入費や造成費も含めて計37千万円が必要だった。佐沢雅美社長は「ファンドの資金がなければ、これほど早い事業化は難しかった。投資を受けたことで、信用力が高まり、融資が受けやすくなった効果もある。」と力説する。金融機関から融資を受けるには原則として担保が必要。資金の使途が制限されることもある。一方、ファンドは融資ではなく出資なので資金は使いやすい。

 地域産業の活性化、雇用拡大につながる6次産業化に地元も歓迎ムードだ。余市町経済部の須藤明彦参事は「町内のワインブドウ農家38軒のうち、後継者がいるのは1ケタ台。それだけ農家の状況は厳しい」と強調する。その上で「オチガビが成功すれば、就農希望者が増える可能性がある。他の農家を刺激し、農業が再び活性化する効果も期待できる」と話す。

 

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