左義長とプラの袋

あけましておめでとうございます。20日のトランプ新大統領の演説とそれからの新政策で予測は全く不可能ですが、良い年になればと思います。

さて、15日に左義長、どんど焼きでしめ飾りなどを焼いてもらった方もいらっしゃることと思います。私も近くの神社に行ってきました。

今から20年程前のことを思い出します。ごみを燃やすとダイオキシンが出るということで、どんど焼きを含む焚火、葦原焼などが自粛された時期がありました。今は、伝統的なものであれば許されています。しかし、神社の境内には「プラスチック袋はお持ち帰りください」と書かれた立札が立っています。どうしてでしょうか?本当はプラスチック(以下プラと言います)全てが悪者ではないのです。

プラの中にダイオキシンを発生する種類があるからです。それは「ポリ塩化ビニル(塩ビ)」です。塩ビが低温で燃えると高濃度のダイオキシンが出ます。塩ビは今では、一般家庭用品にはほとんど使われていません。ビニールハウス、水道パイプ,電線、クッション、網戸などがそうです。でも、一般の方にプラの種類の見分けは難しいので、上記のような立札になるのです。

プラと言えば、最近はごみを出すときに“プラの日”があるのは皆さんご承知でしょう。ダイオキシン、地球温暖化問題などを契機に、なるべく燃やすごみを減らし、リサイクル社会に向かうことが法律で決められました。その中の一つの法律が「容器包装リサイクル法」です。法成立当初は、容器に関するプラだけが対象だったのですが、最近は容器以外のプラ“その他プラ”も分別収集されています。

 集められたプラはどうなっているのでしょうか?ペットボトルは、再生工場で、繊維やボトルの原料に再生されています。このお金はどこから出ているのでしょう?皆さんの買うボトル製品の価格に上乗せされています。

そのほかのプラは?例えば一寸汚れたものもありますね。これらも別の再生工場で、人工芝や公園の杭などに姿を変えて再利用されています。しかし、プラを集めるだけで、自治体は1トン当たり10万円ほどのお金をかけています。これは税金、即ち皆さんが負担していることになります。プラのリサイクルには、いろいろな議論があります。再生される分は製品になるから良いとしても、付着物などの異物はどこに行くのでしょうか?産業廃棄物として処分されます。これも税金で支払われます。再生品を造るのに、新品のプラに比べて数倍のコストがかかります。リサイクルは本当に良いことなのでしょうか?

最新のごみ焼却発電プラントでは、どんなプラを燃やしてもダイオキシンは出ません。排気ガスはたばこの煙よりきれいなどと言われます。プラは石油由来ですから、石油に近い発熱量があり、燃やすと発電量が増えます。そうすると生の化石燃料使用量も減ります。すべてのプラを燃やして発電すると、原発1基分は軽く減らすことができます。そうかといって、なんでも燃やせばよいというものではありません。経済性のみを追求するのではなく、循環型社会形成のための社会コストを皆が負担するという国民のコンセンサスがあればこれでもいいのです。

新年早々ややこしいことを書きました。私が言いたいのは、普段の生活行動が、どのように社会の動きに影響しているのかを考えることも一寸は必要なのかな?と思ったからです。要らぬおせっかいでしたね。

それでは改めて良いお年をお過ごしください。

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  • 廃棄物処理技術の活用でエネルギーを取り出し、社会生活に利用することがこれからの課題と思います。大量の廃棄物を出す社会、これからの子供たちの為にも循環型社会形成を考えたいと思います。