冬の星座の代表格のオリオン座、剣士の右肩のあるのが赤く輝いている星が「ベテルギウス」です。冬の大三角形の一つをなす重要な星です。兵庫県立大学、天文科学センターの機関紙「宇宙 NOW」の2017年7月号にベテルギウスに関する興味ある記事が掲載されていました。著者は同大学の圓谷(つむらや)先生です。
上の図を見て下さい。これは南米チリにある「アルマ(ALMA)」という電波望遠鏡がとらえたベテルギウスの姿です。図には太陽系のスケールも描かれており、ベテルギウスという恒星が、太陽系で言えば中心の太陽から木星付近まで広がっていることが分かります。要するにベテルギウスは超巨大な星なのです。
多くの星(恒星)は、その寿命が尽きるとき、どんどん大きくなり超新星爆発と言われる爆発を起こして一生を終えると考えられています。ベテルギウスは正に終焉を迎えつつあるのです。興味ある記事と書きましたのは、太陽もその寿命を迎える時にはどんどん大きくなり木星付近まで達するだろうと考えられています。現在の太陽は45億歳で、あと50億歳は生きるだろうと考えられていますので、まだまだ先の話です。太陽の終焉時にはもちろん地球は飲み込まれますが、50億年も先の地球、あるいは地球に住む人類がどのようになっているかは誰も想像できません。
ベテルギウスに話を戻しますと、ベテルギウスは地球(太陽系)から640光年離れています。つまり今我々が見ているベテルギウスは640年前(室町時代)の姿であるということです。従って640年も前のことですので、もしかしたらすでに爆発しているかもしてません。これは誰にも分かりません。超新星爆発は藤原定家の「明月記」に記載があるといわれていますが、突然とてつもなく明るい星が出現します。-10等星以上とも言われていますので、強烈な明るさです。ちなみに太陽の見かけの等級は-27等星、満月は-13等星です。
もしベテルギウスがすでに超新星爆発を起こしていて、それが見られたらと想像するとワクワクしますが、それがいつかは予想できません。でも将来、冬の大三角形の一部がなくなるのは確実のようです。
コメント
コメント一覧 (4件)
これから、冬にはいつもオリオン座を見るようにします。
地球の寿命はあと50億年。40億年後に我々の銀河はアンドロメダ星雲と衝突。あと1億年後頃には、系外ハビタブル惑星の探査が進み、人類移住計画ができるかも?それまで人類はもつのかな?
天文学者になることを夢見た小学生時代を思い出して読みました。
今後地球環境の汚染が進むと、今我々が見ている太陽の明るさがいつまで地球で見られでしょうか?
私が心配するこではないでしょう、単純な疑問を考えました。
地球環境汚染が進むと、農業への悪影響、水資源の枯渇につながり、人口は減ります(水戦争がおこるでしょう)。人口減は環境を元通りの方向に持っていくでしょう。この時間は、百年くらいのオーダーでしょう。
太陽は、これから数億年は現状のままなので、人類の活動時間とは比べ物にならないと思います。