毎年夏にニセコに行き、山中で数日間でボーとしています。今夏は倶知安で途中下車し、「倶知安風土館」を訪れました。
お目当ては、風土館に展示してある「ゼロ戦」です。このゼロ戦(海軍零式戦闘機)は太平洋戦争のさなか、ニセコアンヌプリの山頂で機体の「着氷実験」を行っていた残骸です。終戦とともに、ゼロ戦をアンヌプリの山頂近くの沢に廃棄したもので、平成2年(1990年)北海道新聞社が残された場所を特定し、平成16年(2004年)に倶知安風土館が回収・展示したものです。
ゼロ戦といっても機体全体ではなく、右主翼のみです。腐食と破損でボロボロですが、終戦後60年近く経って目の前で見られるというのはさすがに迫力があります。実験を担当されたのが、雪の結晶で高名な北大理学部の中谷宇吉郎教授です。先生は昭和36年(1961年)、私が同学部の物理に在学時も雪氷研究室の教授をされており、講義も受けたことがあります。北洋船舶のマストの着氷防止の研究をされていたことは何かの本で知りましたが、ゼロ戦に対してもとは、やはり軍の機密で、終戦とともに忘れ去られたのですね。
以下に数枚の写真を示していますが、うっかりフラッシュを携行せず、見にくい写真となってしまいました。
今回はゼロ戦の見学が目的でしたが、「風土館」というだけあって、終戦前後の北海道の一般家庭での生活の様子がジオラマ風に展示され、寒くて貧しかった子供時代を思い出させてくれました。またニセコを中心とした、動物や植生の展示も充実しており、あまり名が知られていない施設ですが、一見の価値があると思います。
倶知安風土館のサイトはこちらです。
コメント
コメント一覧 (1件)
正に昭和の名残ですね。「ゼロ戦」もそうなら私にとっては倶知安そのものが子供の頃よく聞いた言葉です(行ったことはないけど)。昔は函館へ行くのは、必ず倶知安を通ったものでした。風土館のサイトも面白く読ませていただきました。一度行ってみたいものです。