断食道場体験記

一昨年夏に関西小樽会に加えていただいてはや二年か経ちます。今年の夏には長年勤めた役所を辞め、まとまった時間が取れるようになったので、「断食」を体験できる施設に興味半分(本気半分)で行ってきました。ご褒美に海外旅行でも、との考えも浮かびましたが、ここは日ごろの不摂生を戒めるためストイックに攻めてみました。

断食といっても、水だけで何も食べない本格的なものから軽食をとる食事療法的なものまで、また、数週間も籠もるものから週末だけの手軽な体験型のものまで、様々な施設が競い合ってメニューを提供しており、インターネットで検索すればズラズラとそれらが出てきます。その運営主体も、目的の違いによって医療系やお寺系やホテル系等々、いろいろとある様子です。

お値段はというと、高級ホテル並みのものから合宿所か湯治場のようなものまで、施設・人員・提供サービスに応じ、ご予算次第です。ただし、どの場合でも美味しいご馳走とアルコールは期待する方がおかしいでしょう。それを考えるとすべて割高感は否めません。旅行の主要目的の一つである「グルメ」が抜け落ちた旅行になるのです。実際、自宅で断食をやり通すことが難しいとすれば、断食自体にも金がかかる、ということです。

私が参加したのは4泊5日の短期型です。水曜日に入って日曜日に出るという日程で毎週参加者が入れ替わります。朝食スムージー、昼食玄米おにぎり(小)、夕食味噌汁(薄い)が毎日の基本形で、夕食は日が進むにつれ一品二品と小皿(漬物等)が増えていきます。全般を通じた絶対ルールは、お替わりナシ、禁酒、コーヒー紅茶ナシです。味はすべて薄めです。館内にはテレビも1台もありませんでした。およそ刺激物は館内には置かないのでしょうか。もっとも、お隣に別経営の高級レストランが建っていて、通りに出ている写真入りメニュー表や漂ってくる香りが刺激でしたが。

この食事、老若男女問わず同じ分量が出ます(男は全参加者24人中3人でした)。わずかな量ですが、ゆっくりとよく噛んで15分くらいかけます。それでも食後すぐに空腹感が湧いてきます。これが辛いのですが、そのうち慣れてきて、達観するしかなくなると快感に変わるのです。このことからも、精神修養であることが分かります。通常厳しい断食では激しい運動を避けますが、ここではウォーキング、ストレッチ、ヨガ等の運動や瞑想、健康講習などの自由参加プログラムが結構充実していました。参加率は高いのですが、私は勉強が目的ではなかったので、適当に暮らしていました。温泉があるので助かりました。

結果を求めるのが悪い癖ですが(笑)、一定の減量が必ずできることは出入りするカロリー量から考えて断言できます。問題は、日常生活に帰ってからです。2週間で既に減量分の半分は戻っています。永続の秘訣を道場で尋ねても、「普段どおり生活し、また来たくなったら来てください」という非常に高尚すぎる答えでした。歯を食いしばって生きるしかないのです。断食に舞い戻る可能性が高いのですが、次回は違う道場も覗いてみたいと思います。

さて、私事ですが、ご縁があって11月から函館のフェリー会社にお世話になることになりました。まだまだ働かんといかんので、道民に現役復帰して行ってまいります。小樽までは届かず途中下車ですが、関西小樽会には引き続き、勝手ながら名簿末席に名を連ねることをお許しいただければと願っております。ありがとうございました。会のご発展と皆様のご健康を祈念申し上げます。

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 玉樹さん、北海道に行っちゃうんですね。寂しいけど、ちょっとうらやましい。
    いままで通りいろんなご案内は送りますので、帰阪のタイミングが
    合った時はぜひご参加ください!! 
    またお目にかかるのを楽しみにしております。  藤田

  • 村上さん

    函館は良い街です。楽しんでください。新春懇親会、夏の総会にはぜひ参加ください。

    手島

  • 大変楽しく読ませていただきました。
    お忙しい中ご投稿ありがとうございました。

  • 楽しい飲み友達が居なくなる気持ちです。再会を楽しみします。