芸術祭参加作品「めじろ物語」

私は昭和4年(1929)、小樽市花園町で生まれました。就職先の関係で関西へ来たのが昭和26年(1941)ですから、関西在住67年になります。何故か未だに関西弁が喋られません。現在、大阪府北部の豊能町に住んでいますが、数年前、我が家の玄関先の「きんもくせい」に小鳥が卵を産み、雛となって飛んで行った一部始終をカメラに収めこれを物語としてまとめましたので、文字通りご笑覧ください。(平成30年3月2日 89歳誕生日に)
          技術士(衛生工学部門)福田文治

 

①昔々あるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました。
 今でも住んでいます。

 

②ある日、おじいさん派芝刈りにはいかず、玄関脇のきんもくせいを剪定しようとしたところ、鳥の巣を見つけました。中には桃ではなく小さい卵が4個ありました。

 

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③時々、親鳥が来て卵を温めていました。「めじろ」でした。

 

④ついに雛がかえりました。
p  4羽、全員無事でした。

 

⑤親鳥に餌を貰って、「ひな」はだんだん鳥らしくなってきました。 

 

⑥1週間後のある日、「ひな」は巣から飛び降りました。
 巣立ちです。
 ここのあと全員どこかへ飛び去り2度と戻っては来ませんでした。

 

⑦「巣」は空っぽになりました。
  「空巣」です。
  「カラス」と読まないでください。
  「アキス」も良くない。
  では何と読む?

 

⑧おじいさんは新しい入居者を募集することにしました。
 これなら誰か来るかも。

 

⑨こんな看板を掛けましたが、反応は皆無。

 

⑩あの手この手、色々考えました。

 

 

⑪おじいさん一体何を血迷ったか。
 これは逆効果?
 とうとうお客さんは一人も現れませんでした。

 

 

⑫幸い「世界遺産」に登録されました。
 おじいさんたちは観光収入のお蔭でずっと幸せに暮らしているんだとさ。
                            (おわり)

 

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ④のヒナの写真いいですね。そのうち新入居者が来ると思います。

  • 我が家の庭に来る、ひよや雀にも声かけてみます。