■動く豪華ホテル・新日本海フェリー
舞鶴から新日本海フェリーに乗って小樽に帰郷するのは、40年振りかもしれなかった。しかも思いもよらず、たったの独り旅で。
フェリーを使うときは、小学校低学年のチョロチョロ動くおちびさん二人を引き連れ、朝から大騒ぎで、主人に舞鶴まで車で送ってもらい、にぎやかに乗り込むのが通例だった。生き死にで、家族全員空を飛んで帰省しょうものなら、ざくっと、ン十万はかかってしまうから、夏休みの気ままな母子三人旅は、ほとんどフェリーと決めていたのだ。
船体が白く波頭をけたて、分け入るように滑らかに進む8月の日本海は、空が抜けるように青く、どこまでも晴れやかで、陽光が水平線のかなたまで上機嫌に躍っている。眼を閉じて波音だけに聴き入っていると、なんだかナホトカか、遥か彼方の異境を航海しているような気がしてくる。
あの頃は32時間、3日がかりだった記憶があるのだが、今は前日の0時半に乗船すると、夜の9時前には小樽に着くので、21時間半と大巾に乗船時間が短縮されていた。
予約したレディースの部屋は、恐れていた二段ベッドではなかったので、安心して眠られたし、お風呂、映画つきの動く豪華ホテルで、北海道までわずか10,800円よと、乗船気分を携帯で知らせると友人は、エエッ、ほんま? 来年は北海道やわ! と歓声をあげていた。
コメント
コメント一覧 (3件)
素敵な小樽の案内ありがとうございました(≧∇≦)
フェリー、忘れてました。
いいですよね。
私も行きたくなりました。*\(^o^)/*
たまさんの思い出は、まっさんを彷彿させますね。
親御さんの想いが、たまさんを護られたんですね。
ありがとうございますm(_ _)m
泣けてきました。笑)